Q.
この度、コンピューターの購入を考えています。そこで、デスクトップのコンピューターにしようか、ノートブックのコンピューターにしようか迷っているのですが、デスクトップとノートブックでは、どちらが便利なのでしょうか?
A.
以前、このコーナーの『コンピューターを購入する際の目安編』でも書きましたが、コンピューターを購入する際に一番初めに考えなくてはならないことは、やはり、コンピューターの「使用目的」です。ただ、今回の場合は、何をしたいのかという「目的」に加えて、どんな風に使用したいのかという「用途」も十分考慮しなくてはならないと思います。
例えば、皆さんが車を購入する際に、主に自分だけが乗るのか、それとも家族みんなで乗るのか、自家用か、あるいは仕事用か、乗用車かバンか、またはSUVか、色は何色にしようかなどと検討することと思います。同じようにコンピューターを購入する際も、自分専用か、それとも家族で使うのか、仕事用なのか、あるいは趣味や学習用としてなのか、大きさはどのくらいのものにしようかなどと目的や用途に合わせて検討しなくてはならないということです。
つまり、デスクトップとノートブックのどちらが便利なのか、あるいはどちらが自分にあっているのかなどは、この「使用目的」や「用途」をある程度はっきりさせてから、それぞれのメリットとデメリットを比較し、検討したほうが良いでしょう。
■ デスクトップコンピューター
デスクトップコンピューターは、残念ながら移動するということを前提として、作られてはいません。つまり、机の上など置き場所を決めたら、ほぼその一定の場所に置いた状態で使用するようになるということです。また、ディスプレイやキーボードなどは、コンピューター本体とは別々に設置されています。ただ、最近では「一体型」と呼ばれるデスクトップのモデルも登場し、部屋の模様替えや部屋間での移動などのときに、多少動かしやすくなったかも知れません。
デスクトップの特徴
デスクトップコンピューターは、そのサイズの面から置き場所を考えなくてはなりませんが、逆に、大きいということにより、エクスパンションカード(expansion card)などの周辺装置を追加できるという拡張性に優れています。また、ケース本体の大きさから放熱性も良く、ケース内のスペースも広いのでパーツなどの交換や追加も容易にできるため、より高性能なものに仕上げていくことも可能です。
価格的にもノートブックよりも随分安値で、同じ程度の性能で比較した場合、おそらくノートブックの1/2から2/3程度の価格で購入できるでしょう。つまり、コストパフォーマンスが高いので、比較的安値で高性能なコンピューターを入手できるということになります。更に、パーツの交換や追加が容易にできるということから、手入れ次第では長期間に亘って使用することも可能なのではないでしょうか。
最近では「一体型デスクトップコンピューター」などのように省スペースのものも登場しました。これらは、置き場所をあまり取らず、接続するケーブルなども少ないのでコンピューターの周辺がゴチャゴチャせずスッキリしています。デザイン的にもコンパクトでどこに置いてもあまり気にならないものが多いのですが、このタイプのものは、まだカナダではあまりポピュラーではないようです。もっとも、こちらでは日本のように省スペースにこだわる必要が無いのかもしれませんが…。
また、一体型は、ケース自体が小さいことから、パーツ交換や修理がしにくかったり、ケースのサイズに合わせた小さいマザーボードを使用しているため機能の追加が不可能だったりする場合が多いので、高性能を求める上級者には不向きだと思います。
デスクトップの選び方
ここカナダでは、省スペースの「一体型」よりも「タワー型」が一般的だと思います。性能など購入の際の目安は『コンピューターを購入する際の目安編』ですでに説明していますので、それを参照してください。
基本的に、使用目的がインターネット、メール、ワープロ機能程度でしたら、メーカー製でもコンピューターショップで組み立てたものでもあまり大きな違いは無いと思って良いでしょう。保障期間に関しては、どちらもメーカー保障一年間が定番となっていますが、販売店によっては独自の保障期限延長サービスの購入が可能な場合もあります。
しいて、メーカー製と組み立てものの違いと言えば、メーカー製のものは、付属(おまけ)ソフトが多数インストールされている場合が多いということでしょう。ただ、これも一長一短で、「便利だ」という人もいれば、必要のないものまでたくさんインストールされていて「邪魔だ」という人もいます。つまり、余分なソフトウェアがたくさんインストールされていると、当然、コンピューター内のファイル数が多くなってしまうため、ウィルススキャンやデフラグなどをしたときに、必要以上に時間がかかってしまうということです。
■ ノートブックコンピューター(ラップトップコンピューター)
ノートブックコンピューターは、仕事先や外出先でも使用できるように「持ち運び可能」ということを前提に作られています。コンピューター本体とキーボードやディスプレイなどが一体化されていて、サイズや重さも非常にコンパクトになっています。 また、電源が無くてもバッテリーで平均2時間程度は動くようになっているので、どこでも使えるということで人気が高いようです。
最近では、インターネットへの無線接続ができるようになったので、家に無線ルーターがあればもちろんのこと、外出先でもホテルや空港などのように無線接続を提供してくれているところであれば、ネットワークケーブルを接続せずにどこでもノートブックコンピューターを使ってインターネットへアクセスすることが可能となりました。
ノートブックの特徴
一番の特徴は、なんと言っても、持ち運びが可能ということでしょう。性能は、このところ一気に伸びてきているように思いますが、それでも、やはり高性能や安定性を追い求めるとなるとデスクトップになってしまうような気もします。
また、価格面でも、デスクトップの性能と同じ性能のもので比較すると、ノートブックはかなり高価で、ものによってはデスクトップの倍近くしてしまいます。つまり、ノートブックは、コンピューターを小型化、軽量化するためにそれぞれのパーツにかかるコストが非常に高くなるため、必然的に本体の価格が高くなってしまうという訳です。ということは、当然、故障したときにかかる修理費も高いということになります。
要するに、ノートブックコンピューターにする場合は、根本的にコンピューターを持ち運ぶかどうかで判断することになるということです。持ち運ぶ必要が無いのならば、メインで使うコンピューターは、一般的にデスクトップのほうが良いといえるでしょう。また、すでにデスクトップコンピューターを所有していて、二台目のコンピューターとして別のものを購入しようと考えている場合は、ノートブックでも良いと思います。
更に、ノートブックコンピューターは、取り扱い面でも十分に注意が必要です。例えば、落としてしまったりして液晶画面を壊したりすると、修理に本体価格に近いぐらいの費用がかかってしまうこともしばしばあります。通常、このようなフィジカルなダメージの場合は、保障では一切カバーされないからです。持ち運びの際は、必ず専用のキャリーバッグなどを使用し、細心の注意を払ってください。また、ただ格好良いからとかオシャレだからとかいう理由だけで選択するのは、ちょっとリスクが高いかも知れません。
ノートブックの選び方
*サイズ
さて、ノートブックに決めたら次にサイズを考えましょう。サイズは主に画面の大きさが11インチ以下、12~14インチ、15インチ、17インチなどが一般的です。日本では、11インチ以下のものをモバイルサイズ、12~14インチのものをB5サイズ、15インチ以上をA4サイズなどと呼んでいます。
当然、小さいほうが持ち運びには便利ですが、軽量化した分、性能は落ちます。逆に、15インチや17インチの大型のものは、性能は良くなりますが、その分、持ち運びには不便になるという訳です。
一般的に、15インチと17インチのものが主流だと言えるでしょう。このクラスのものは、機種もローエンドのモデルからハイエンドのモデルまでと豊富で、価格も低価格のものから高価なものまで幅広く用意されています。ただ、外出先に持って行くには、多少大きく重いかも知れません。もし、家の中での移動だけで使うのであれば、断然このサイズがお薦めでしょう。また、性能や機能が良いものも多いので、使いやすさの面からいっても、初心者にも適したモデルと言えるでしょう。
次に、12~14インチのものは、携帯性と機能性のバランスがうまく取れているので、頻繁に持ち出すかたには、このサイズがお薦めです。例えば、企業が社員に持たせるノートブックもこのサイズが主流だと言われています。
最後に、11インチ以下の小型ノートブックですが、これは完全に携帯性を重視していますので、その分、機能や性能はかなり抑えられ、軽量化されています。確かに持ち運びには非常に便利ですが、メインとして使うには、少々物足りないかも知れません。
ちなみ、私は、仕事用に15.4インチのワイドスクリーンのモデルを使用していますが、私の場合、というかここカナダの場合、ほとんどが車での移動なので持ち運びを苦に思ったことはありません。また、性能や機能面でも自分にとっては十分だと納得しています。
*性能や機能
ここでもう一つ気になるのが、バッテリーでしょうか。小型化や軽量化が進んだノートブックでは、どうしても本体に搭載できるバッテリーの大きさも小さくなってしまいます。最近では、リチウムイオン電池が主流になり、以前よりも駆動時間が多少長くなったといわれています。とはいっても、やはり平均で2時間程度といったところでしょう。また、バッテリーの寿命についてですが、これは使用方法や管理方法、保存方法など環境によって随分変わってきますのでここではなんともいえません。
なお、バッテリーの駆動時間や取り扱い方法、または保存方法などに関して詳しいことを知りたい場合は、各メーカーに問い合わせをするか、各モデルの仕様カタログなどを参考にしてください。また、インターネットで検索するなどして調べてみるのも良いかと思います。
さて、サイズが決定したら今度は性能ですが、ここでも『コンピューターを購入する際の目安編』を参照してください。ハードディスクやメモリーなどの容量は、基本的には、デスクトップのそれと同じ基準で見て下さい。あえてノートブックで注意したいところは、DVDやCD-RWなどの光学ドライブが内蔵されているか、無線LANが内蔵されているか、USBやIEEE1394のインターフェイスが付いているかなどでしょうか。
DVDドライブに関しては、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD±RWなどとメディアの種類がたくさんありますので必要に応じて良く考えてください。一般的に、最近のモデルには、比較的低価格のマシンでもCD-RW & DVD-ROMのコンボドライブが標準で搭載されている場合が多いようです。また、予算に余裕があるのであれば、すべてのDVDとCDメディアに対応したスーパーマルチドライブ・ダブルレイヤー対応のものが搭載された機種が良いでしょう。
無線LANにつては、最近では、IEEE802.11bとIEEE802.11gがすでに標準装備されているマシンがほとんどです。また、プリンタやデジカメなどの周辺機器を接続するのに必要なUSB2.0やIEEE1394のインターフェイスも、ほとんど標準で装備されています。一応、購入の際には、これらが標準で装備されているか確認してください。
ノートブックの場合は、デスクトップと違って後から内蔵機能を追加するということがほとんど不可能です。追加したものはすべて外付けとなってしまいますので、購入前に必要なものが搭載されているかどうか、もう一度確認することは大事です。ただし、フロッピードライブに関しては、最近のモデルでは、ほとんどのものにフロッピードライブは搭載されていません。これは、DVD-ROMやCD-ROMの発達でフロッピーの必要性が無くなってきたからです。どうしてもフロッピーを使いたいという場合は、USBの外付けフロッピードライブを購入して使用してください。
さて、ノートブックコンピューターを選ぶ際、最近では機能性だけでなく、デザインの好みも重要視されてくることと思います。これに関しては、あくまでも個人の好みということになるので、形や色などに関してはここでは取り上げません。ただ、一つ言えることは、ことデザインに関しては、カナダで売られている機種よりも日本で販売されている機種のほうがずっと豊富だと言うことです。
ノートブックの場合は、日本で購入したものをこちらへ持ち帰って使用するということも、デスクトップでそうするより容易にできると思います。つまり、日本語キーボードの必要性、あるいは、デザイン性や価格面に重点を置いて選択する場合や、日本語版のオペレーティングシステムを希望する場合は、日本で購入するのも一つの方法かと思います。ただし、この場合、海外での使用ということになりますので、保障や故障したときなどの対応に関しては、事前にメーカーに十分確認をしてください。
最後に、今回は、ノートブックコンピューターとデスクトップコンピューターの特徴に関していろいろ説明してきました。あくまでもこれを参考にする、しないは、個人の責任でお願いします。それぞれのコンピューターの特徴を理解した上で、ご自身の使用目的や用途に合わせて購入してください。最終的に選ぶのは、あなた自身です。
情報提供者: 斎藤 浩 (NSW) 2005年5月9日