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PIO病

PIO病って?

今回は、PIO病にかかってしまったパソコンのお話です。

先日、「パソコンのサウンドがすっごく音割れするんです。Windowsの起動音もバリバリと割れちゃって…。それに、マウスが突然どこかへとんでっちゃったり、動画がカクカクしてストップモーションみたいになっちゃうんです。」という電話がかかってきました。

早速、パソコンの状態を見てみると…、確かにすごい音割れです。パソコン自体の動作も異常に遅いし。パソコンは、2年ほど前に購入したというPentium 4 3.06GHz HT(Hyper-Threading)搭載のWindows XPマシンです。
問題箇所の特定をするためトラブルの可能性がありそうなところを順番にいろいろテストしていると…、たまに、ホントにたまに、ほんの一瞬だけ“カツン”とハードディスクドライブへのアクセスがなくなることに気が付きました。…もしかして、ハードディスク??…っという訳で、一応、ハードディスクを取り外して別のパソコンにつないでチェックしてみました。…ぅん?これ、ちゃんと働いてるじゃん。(異常あれへんやんなぁ…。)ハードディスクの交換で済むと思ったのに…やれやれ。(これやったら、ハードディスクを新品にしてもおんなじやぁ…。)ってな訳で、再び原因究明の作業を続けていくと…。

おやおやぁ??Primary IDE Channelの一つがPIOモードになってる。そっうかぁ、こいつは『PIO病』だったんだ!

PIO病と言っても、今流行のウィルスなどに感染した訳ではないんです。

では、そもそもその“PIO病”ってなんなんでしょう。
簡単にいうと、これはパソコン内にあるハーディスクドライブなどのIDEディバイスの読み書きの速度が異常に遅くなってしまう現象のことです。

では、なぜPIO病になると動作が遅くなってしまうのでしょう?
通常は、ディバイスの転送モードはDMA(Direct Memory Access)モード、つまり、プロセッサ(CPU)を介さずに各機器とメモリの間で直接データ転送をおこなう方法が主流となっています。DMAモードの場合、プロセッサはデータの読み書きの命令を出すだけで、実際の各機器へのアクセスはメモリやチップセットで実施され、そこで得られた結果だけがプロセッサに返されるので読み書きが速いんですね。一方、これに対してPIOモードはというと、ディバイスとメモリ間のデータ転送をプロセッサが管理する方式なんです。つまり、その分プロセッサの仕事量が増えるので、プロセッサに過負担がかかってしまいパソコンの動作が異常に遅くなるということです。

ちなみに、Windows 2000やXPの場合、OSの動作中になんらかの事情でディバイスへのアクセスエラーが6回に達すると、強制的に緊急用のPIO(Programmed I/O)モードに変わってしまいます。

…っで、今回のお客さんのパソコンなんですが、PIO病が原因で、プロセッサに過負担がかかってしまい、音割れやマウス飛び、更には動画紙芝居現象が発生した訳なんですね。

でも、「どうしてPIOモードになったんだろう?」って疑問が残ります。そう、根本的な原因を見っけないと、またPIO病になっちゃうので、そこを探し当てないとダメなんです。そこで、あれやこれや、あーだこーだして探しました。結果、居ました、居ました、原因君が。このパソコンには、SerialATAのハードディスクが設置されているんですが、そのシリアルケーブルのコネクタの一端を見てみると、ひび割れが入っていて差込口が広がってしまいゆるゆるじゃぁありませんか。ってことは、接触不良を起こしてたってこと?だなぁ。

わたしの独り言: 「そっかぁ、だからハードディスクがたまに一瞬だけアクセス不通状態になったりしたんだなぁ。納得、納得。」

某パソコンショップのマシンらしいんですが、たぶん組み立ての際にシリアルケーブルの差込口を壊してしまったと思われ、しかも、そのままそいつを使っていたみたいです。

「いや~ぁ、アバウトだなぁ。もうちょいマシな仕事してくれよなぁ。」って、またしてもわたしの独り言。

とりあえず、シリアルケーブルを交換して、電源入れて、ディバイスの設定をPIOモードからDMAモードに変更する作業をおこなって再起動。じゃじゃぁ~ん!無事、生還しました。しばらくテスト走行して様子を見ても大丈夫です。めでたし、めでたしです。なお、今回はレジストリ設定を書き換える方法ではなく、ドライバの削除で修正しました。

今回、ケースを開けたついでといっちゃぁなんですが、パソコンのスペックの割りに電源ユニットがあまりにも貧弱なものだったので、パソコン内の他の機器へ障害が出ないうちに強力なものへ交換しました。お客さまにも喜んでいただけました。

いや~ぁ、えがったぁ。これ、自己満足っす。

2008年4月29日